私は仕事上、相続手続きのご依頼があったときなど、お亡くなりになった方(被相続人)の子供のころの古い戸籍謄本を拝見することがあります。
その古い戸籍は、戸籍の筆頭者が被相続人の祖父で、戸籍には、被相続人の祖母、父、母、父の兄弟姉妹とその家族が入、ものすごい「大所帯」のものもあります。
しかしながら、今はそのような戸籍は存在しません。
戸籍法第6条(戸籍の編製)
戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編成する。(但書き以下省略)
つまり、現在の戸籍法では、祖父、父、子のように親子三世代は、同じ戸籍に入ることはありません。
また、
民法第750条(夫婦の氏)
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。
戸籍法第16条(婚姻による戸籍の変動)
婚姻の届出があったときは、夫婦について新戸籍を編成する。(但書き以下省略)
という規定から、男女が結婚して夫婦になると、夫婦の新しい戸籍がつくられます。
つまり、結婚すると、親の戸籍から抜けて、夫婦の戸籍に入るということです。
そして、夫婦が、夫の氏を称するときは夫、妻の氏を称するときは妻がその戸籍の先頭(筆頭者)に来ます。
多くの場合、夫婦は夫の氏を称することになるので、その場合で説明すると
戸籍の先頭:夫
その次:(配偶者である)妻
その次:(夫婦間の)子
の順で、夫婦の戸籍に記載されることになります。(民法第14条)