「戸籍法」という法律があります。
戸籍法第16条(婚姻による戸籍の変動)には、次のような規定があります。
1項 婚姻の届出があったときは、夫婦について新戸籍を編成する。
また、民法750条(夫婦の氏)には、次のように書かれています。
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。
つまり、夫婦は、婚姻届を提出するときに、夫又は妻の氏(みょうじのこと)のどちらを夫婦の氏とするかを決めます。
夫の氏を名乗ることとするときは夫、妻の氏を名乗ることとするときは妻を、戸籍の「筆頭者」として、戸籍法第16条にあるように、婚姻届を出すと、夫婦についての新しい戸籍が作成されます。
よりわかりやすく言うと、夫、妻がそれぞれ親の戸籍から出て、夫婦で新たに作る戸籍に入るということです。
そして、戸籍法第16条の但し書きと戸籍法第17条には、次のように書かれています。
戸籍法第16条但し書き
但し、夫婦が、夫の氏を称する場合に夫、妻の氏を称する場合に妻が戸籍の筆頭者に記載したものであるときは、この限りではない。
戸籍法第17条
前項但書の場合には、夫の氏を称する妻は、夫の戸籍に入り、妻の氏を称する夫は、妻の戸籍に入る。
つまり、戸籍の筆頭者となる夫又は妻が、分籍(独立した戸籍を持つこと)や全配偶者との離婚によって、既にその夫又は妻を筆頭者とする戸籍が存在しているときには、婚姻届を出すことにより、新しい戸籍は作られることはなく、その存在している戸籍に、妻又は夫が入ってくるということです。