「第1回 慰謝料とは」
行政書士の縁山記孝です。
今後、しばらく慰謝料についての記載をしていこうと思います。
慰謝料とは、精神的な損害を賠償してもらうものです。
そもそも、慰謝料の「慰謝」とは、事が起こる(精神的な損害が生じる)前の状態に戻す(回復する)ことを言います。そのために必要なお金が慰謝料なんですね。
たとえば、不倫の慰謝料、暴力に対する慰謝料、交通事故等の過失による事故に対する慰謝料などすべて損害が生じる前の状態に戻すために必要なお金です。慰謝料は「損害賠償金」とも呼ばれます(請求できる損害賠償金というのは損害のケースによって色々な項目がありますが慰謝料はその中の一つです)。
さて、この損害賠償金は「お金」でなければならないのかというと必ずしもそうではなく、別な物でもいいのです。というのも法律上は、「損害賠償は別段の意思表示がないときは金銭をもってその額を定める(民法722条1項)」となっております。要約すると、「損害賠償としてどのような形で償うかっていうのは、当事者間(被害者と加害者)でなんも決めてなければお金で償うことになるだけで、お金以外の方法(例えば、野菜1年分とか)で償う取り決めをしたのならそれでもOKだよ」っていう事です。
現実社会においてはやはり、お金のほうが交換価値があるから金銭による損害賠償が普通ですよね。しかし、金銭による損害賠償にしても、お金をもらえればどんな精神的損害でも完全に回復できるとは限りません。単に金銭で元の状態に戻ると仮定するだけの法律上のフィクションでしかありません。一応、解決したという区切り(被害者と加害者の双方のモヤモヤを除去)をつけるためのケジメの意味合いが強いでしょうか。
次回は損害賠償を請求するための要件(決まりごと)について記載しようと思います。
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