「離婚届けの受理と不受理」

離婚届の不受理申出の届けを出しておくと良いです。

協議離婚の場合は、夫婦の離婚意思の合致があれば、あとは離婚届けを市区町村長に届け出れば離婚が成立します。

厳密にいえば、離婚届を市区町村役場の戸籍係に提出すると受付がされ、仮に、夫婦一方に離婚意思がないにもかかわらず、他方が勝手に離婚届けを出してしまったとしても、離婚届けの記載内容が形式的に適法であれば、そんな事情を知らない市区町村長は適法なものと判断して離婚届を受理(=離婚届けの受付を認める行政処分)します。この受理がされることで離婚の効力が発生します。

市区町村長さんは、当事者の離婚意思の有無を調査しなくて良いのです。あくまで離婚届けの記載内容を形式的に判断すればいいのです。だから、これを形式的審査権とも呼びます。

勝手に離婚届けを出された側にとっては、寝耳に水ですよね?

また、離婚届けに押すハンコは実印でなくて、三文判でもいいので、配偶者が自分になりすまして勝手にハンコを押してしまう可能性があるかもしれませんよね。このような届出は本来は無効ですが、離婚した旨の戸籍の記載はされるので、この記載を消去するためには、裁判を起こしてこれを無効とする判決を得て、戸籍の訂正の申請をしないといけません。面倒くさいし、時間がかかりますね。

だから、こんなときのために、離婚届の不受理申出制度があるんです。

これをあらかじめ提出しておけば、本籍地の市区町村長に対して仮に勝手に離婚届を出されたとしても、戸籍課の窓口で本人確認ができない場合は離婚届を受理しないように頼んでおくことができるのです。

 

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行政書士 縁山記孝