「第二回 請求するためのルール」

 

行政書士の縁山記孝です。

前回は慰謝料というのは、精神的損害を回復するためのものであり、損害賠償の請求項目の一つでもあるとのお話をしました。

不倫の慰謝料、DVの慰謝料など離婚に関する損害賠償については様々なものがありますが、今回はこの損害賠償が認められるための要件(決まりごと)について記載していこうと思います。

不倫やDVは法律上、「不法行為」と呼ばれます。被害者(不倫されたり、暴力を受けた側)がこの不法行為を理由として慰謝料請求するためにはどんな要件を満たせば良いのでしょうか?

一般的に不法行為を原因として損害賠償請求するには以下の1から3の事実が必要です(他に細かい要件がありますがざっくり主要な要件を掲げます)。

 

1.不法行為が在ったこと(配偶者以外と肉体関係があったことや暴力の事実があったこと、また、加害者に故意.過失があったことを含む)

2.損害が生じたこと(夫婦関係の破綻や貞操侵害、暴力による傷や後遺症の発生)

3.不法行為と損害との間に相当因果関係があること(不倫によって夫婦関係が破綻したこと、DVによって怪我や後遺症が残ったこと)

 

このように単に不法行為(不倫やDV)の事実(上記1)があったというだけでは損害賠償は請求できません。非常に酷な話ですが、被害者側に立証責任が課されているために被害者は上記すべての事実の立証をしなければならないのです。

なんか、納得できませんよね<(`^´)>

でも、これが要件(ルール)なのです。だから、例えば上記1の事実のうち、配偶者以外と肉体関係があったことを証明しようとすれば探偵さんに依頼する事もあるでしょうし、上記2の事実のうち、後遺症の度合い(等級)を証明してそれに関する損害賠償請求書を作成したければ行政書士に医療調査と損害賠償請求書の作成を依頼する方もおられるでしょう。

以上、一般的な不法行為成立の要件としておおまかに記載しましたが、簡単にまとめますと被害者っていうのは実は不利です。加害者に正当な賠償をしてほしかったらきちんと証明しなさいって言われている感じですよね。

私たち行政書士は弁護士と違って示談交渉や裁判で代理人になる事はできません。法律で禁止されています。ですから「相手方への請求や折衝」という部分ではお役に立てないというか立つべきではありません。しかし、上述した医療調査や損害賠償請求書作成のような作業については合法的に行えるのでこの「事実証明書類作成」の部分ではお手伝いできるのではないかなと思います(現在、交通事故以外で後遺症に関することを業務としてやられている同業者の方を見たことがないのですが)。

次回は、「もし、DVで後遺症が残ってしまうような怪我を負わされてしまったら」というタイトルで外貌醜状(がいぼうしゅうじょう-顔面等肌が露出する部分に関して火傷などの傷が残ってしまった場合の後遺症のこと)等が残ってしまった場合の損害賠償に関することについて記載予定です。

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行政書士 縁山記孝