戸籍に関することは「民法」のほかに、「戸籍法」という法律に詳しい記載があります。

以前(私が行政書士試験を受験した頃も)は、行政書士試験には「戸籍法」がありましたし、行政書士の始まりは「代書人」だったことを考えても、行政書士と戸籍法には深いつながりがあります。

私が弁護士事務所で働いていた経験も踏まえて言うと、弁護士は戸籍のことにあまり詳しくありません。

離婚後の本籍地を決めるのは、戸籍法による手続きですし、離婚によって氏(名字)を変更することになる配偶者(多くの場合、妻)が決めることで、これについては夫婦間で争いになることではありませんので、タイトルにあるような相談は、弁護士に尋ねてもあまりピンとは来ないかもしれません。

夫婦が離婚するとき、結婚により名字を変えた方の配偶者(多くの場合、妻)が、夫婦の戸籍から除かれることになるので、その配偶者には、本籍地については、

  • 新たに本籍地を定めて、そこで新しい戸籍を作る
  • 結婚前の戸籍に戻る

という2つの選択肢があります。

後者を選んだときは、親の戸籍に戻ることになるので、本籍地は親の戸籍の本籍地になりますから、新たに本籍地を定めることはできません。

したがって、新しく本籍地を定めることを検討するときは、「新たに戸籍を作る」場合です。

新しい本籍地は、日本のどこでも構いません。

しかしながら、一般的には

  • 離婚後の住所
  • 実家の住所

を本籍地にしている方が多いように感じます。

「離婚後の住所」にしておけば、本人が本籍地の市町村にも住んでいることになりますから、戸籍謄本などが必要になったときも簡単に取得できます。

また、「実家の住所」にしておけば、戸籍謄本等が必要になったときも親などに取得を依頼できますので、比較的簡単に取得できるからです。

ただし、例えば「元夫に離婚後の住所地を知られたくない」と考えているのであれば、本籍地は「離婚後の住所」にはせずに、実家の住所やその他関係のない住所にしておくなどの配慮をしておく必要があります。