<北海道新聞 平成26年3月25日 朝刊>

妻の暴力・暴言「逃げたい」男性用DVシェルター、北海道が開設へ

 道は、妻ら女性からドメスティックバイオレンス(DV)を受けた男性向けのシェルター(一時避難所)を、道内の社会福祉法人に委託して6月にも開設する。道内19カ所の配偶者暴力相談支援センターには男性からの相談が年間30件以上寄せられているが、現在、道内には男性被害者を想定したシェルターはない。

 道内のDV被害者用のシェルターは民間委託が11施設、道直営が1施設あるが、利用者はすべて女性。DV被害者の保護・支援は男女別々に行うのが望ましく、男性用シェルターの必要性が指摘されていた。

 内閣府によると、2012年度に全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられたDV被害の相談は8万9490件で、うち男性からは1065件。この中で道内分は35件あった。11年度も男性からの相談は道内分だけで44件寄せられた。相談内容は「妻が刃物を振り回したり、金づちで殴られたりしたことがある」「妻から、死ねと言われ続け、逃げたい」など。同センターの担当者は警察などに相談するよう勧めることもあるという。